どうもバカポンドです。
チャート分析をする上で、価格の変動(値幅)を見ることは大いに重要です。
スイングインデックスは、前日と当日の始値・高値・安値・終値の4本値を比較して、計算式により導かれます。
表示される振幅はまさにスイングをしていて、その振幅の加減でトレンドや相場の強弱を教えてくれます。
結果として、振幅の上限で買われ過ぎ、下限で売られ過ぎとなります。
今回解説する「ASI(累積スイングインデックス)」は、「SI(スイングインデックス)」で出て来た値をAccumulate(累積)合計したもののことです。
目次
ASI(累積スイングインデックス)とは何か?
ASI(累積スイングインデックス)は、ウェルズ・ワイルダー (Welles Wilder) が考案しました。
SI(スイングインデックス)の様に単純に上限に近付くと買われ過ぎ、下限に近付くと売られ過ぎを見るのでは無く、トレンドを描いていくインジケーターと判断し利用すべきものです。
過去の最高値と最安値を中期間、或いは長期間のチャート上で分析し、計算式から導かれるASI(累積スイングインデックス)のラインは、一時的な価格の乱れから表示される細かなノイズ(振幅)が省かれ比較的単純な表示となります。
その為、ローソク足よりもラインの曲線が滑らかで、トレンドの分析もし易いです。
ASI(累積スイングインデックス)にトレンドラインを引くことで、より方向性や強弱が見分け易くなります。
そして、トレンドラインのブレークで売買のサインとし、高値の更新に安値の更新、また、ダイバージェンスも現れますのでトレードの指針になります。
後ほど、見方や扱い方を詳しく解説いたします。
ASI(累積スイングインデックス)の計算式について
ASI(累積スイングインデックス)の計算式を知る前に、SI(スイングインデックス)の計算式を知る必要性が有ります。
■SIの計算式
SIの計算式は難しい事は無いですが、チョット複雑です。
参考程度に記憶に留めて置くとラインの意味を理解できると思います。
SI=50×〔{(当日終値-前日終値)+0.5×(当日終値-当日始値)+0.25×(前日終値-前日始値)}/R〕×K/L
Rの計算は下記で出します。
r1>=Max(r2,r3)の時 R=r1-r2/2+r4/4
r2>=Max(r1,r3)の時 R=r2-r1/2+r4/4
上記以外 R=r3+r4/4
r1:当日高値-前日終値の絶対値
r2:当日安値-前日終値の絶対値
r3:当日高値-当日安値の絶対値
r4:前日終値-前日始値の絶対値
K:r1とr2の大きい方の値
L:当日の値幅制限
※株ではストップ高やストップ安で値幅制限が出来ますが、FXでは値幅制限は無いため、通貨ペアの値幅の大小を考慮して任意でパラメーターをpipsで設定します。
※デフォルトは30pipsが設定されています。
■ASIの計算式
当日のASI=当日のSI+前日のASI
※データ収集の一番初は前日のASIがないため、当日のSIを用いることになります。
※計算式からも分かりますが、ASI(累積スイングインデックス)のラインの形は、ローソク足等のレート変動と非常に近い形になります。
MT4でのASI(累積スイングインデックス)の設定方法
ASI(累積スイングインデックス)はMT4の標準インジケーターには含まれていません。
これから解説する上で必要ですので、下記からダウンロードをして、カスタムインジケーターの一軍に加えて下さい。
■ASI.mq4のダウンロード
https://www.abysse.co.jp/mt4/indicators/ASI.mq4
無料ですので、ぜひ、ダウンロードしておいてください。
では、ダウンロードを済ませた前提で、設定方法を解説していきます。
ダウンロードする際に、ダウンロード先を指定してください。
ご利用のFX業者のMT4を立ち上げ、メニューバーの「ファイル」→「データフォルダを開く」→「ファイルマネージャー」が起動します。
開いたファイルマネージャー内に「MQL4」が有りますので、それをダブルクリックして開きます。
開きますと「Indicators」というフォルダーがありますので、ダウンロード先はそこを指定してください。
或いは、ダウンロード先が旨く指定できなかった場合は、ファイルマネージャー内のダウンロードフォルダーに保存されていますので、先程の指定場所へ移動させてください。
指定場所へダウンロードしましたら、MT4を再起動させます。
MT4が起動しましたら、ツールバーの「表示」→「ナビゲーター」をクリックしてください。
ナビゲーターが表示されましたら、「ASI」を探して、利用したい通貨ペアのチャートへドラッグアンドドロップしてください。
設定ウインドウ(ダイアログボックス)が開きます。
※ASIパラメーター画像参照
変数の値に300が入っている事を確認してください。
■MTF_SwingIndex.ex4のダウンロード
http://mt4indifx.up.seesaa.net/mt4/MTF_SwingIndex.ex4
これも無料ですので、ダウンロードをして下さい。
ダウンロード後、ナビゲーター内に「MTF_SwingIndex.ex4」がありますので、利用したい通貨ペアのチャートへドラッグアンドドロップしてください。
設定ウインドウ(ダイアログボックス)が開きます。
※SIパラメーター画像参照
パラメータータブの30pipsになっていることを確認してください。
変動率の大きい通貨ペアでは、数値を大きめに変更した方が見やすくなります。
FXでのASI(累積スイングインデックス)の見方や使い方を解説!
チャートのトレンドラインと同様に、ASI(累積スイングインデックス)にトレンドラインを引き、ブレイクアウトの確認に用います。
まず、基本的な見方を解説いたします。
※画像ASI-1をご覧ください
①買いシグナル
ASI(累積スイングインデックス)のラインが、下落トレンドのレジスタンスラインを上抜けた時、①で買いシグナルとなります。
ローソク足に引いたトレンドラインの方が、①を超えるのに2日遅く表示されています。
②売りシグナル
ASI(累積スイングインデックス)のラインが、上昇トレンドのサポートラインを上から下に抜けた時、②で売りシグナルとなります。
今回はローソク足に引いたトレンドラインの方が、②を割るのに1日遅く表示されています。
③買いシグナル
ASI(累積スイングインデックス)のラインが、下落トレンドのレジスタンスラインを上抜けた時、③で買いシグナルとなります。
ローソク足に引いたトレンドラインの方が、③を超えるのに1日遅く表示されています。(※トレンドラインとは、ローソク足とサブウインドウのASIの値に引いたサポートとレジスタンスのラインのことです。)
ローソク足とASI(累積スイングインデックス)のライン両方に、トレンドラインを引く二度手間になるという欠点はあります。
・見方を整理して書きますと、
ASI(累積スイングインデックス)のラインが上昇トレンドの下値支持線を下抜けた時→売りシグナル
ASI(累積スイングインデックス)のラインが下落トレンドの上値抵抗線を上抜けた時→買いシグナル
トレンドが強気の場合、ASIはプラスの値になり、トレンドが弱気の場合、ASIはマイナスの値になります。
トレンドが無い場合は、ASIは0付近を上下します。
また、ASIとローソク足との間にダイバージェンスが現れている場合は、反転サインと見ます。
ASI(累積スイングインデックス)を利用して勝率を上げるためには?
では、実際日足のチャートを見ながら検証をしていきます。
※日足チャートの画像ASI-2をご覧ください
ローソク足以外に補助インジケーターとして、「ASI」と「RSI」をサブウインドウに表示させています。
まず、①でのラインがトレンドラインの上値抵抗ラインを上抜けました。
そして、RSIにはダイバージェンスが現れています。
ここで、ASI①の位置でロングエントリーをします。
利益確定位置を次の上昇サポートラインを下抜く位置と決めていた場合にはこの後、300pipsの下落がありますので損切となりますが、ポジション取得後3日後には、レートが150pips上昇していますので利確をしましょう。
次に、ASI②の位置でサポートラインを割り込みます。
この②の位置でショートエントリーをします。
RSI③の位置まで25日間障害となる事象は起きませんので、此処で利益確定の決済をします。
此処では500pipsの取得が出来ます。
そして、ASI③の位置でレジスタンスラインを上抜きますので、ロングポジションを持ちます。
④の位置まで約半月間、上昇を続け㈬で利益確定の決済をします。
ローソク足の方が2日遅くサポートラインを割りますのでASIに合わせて決済をした方が利益を伸ばせます。
此処では400pipsの獲得になります。
次に、④でASIはサポートラインを割り込みますので、ショートポジションでエントリーします。
⑤の位置まで特に障害となる事象は有りません。
450pips程度の利益獲得になります。
⑤の位置で、ASIとRSIの両方に「ダイバージェンス」が現れています。
強い上昇の現れですので、多少多めにポジションを持っても良いですね。
⑥の位置まで全く障害となる事象は無く400pipsの獲得になります。
⑥の位置でサポートラインを割り込みますので、ショートポジションを持つことに続き、到達地点にはRSIとASIにダイバージェンスが現れて居るのが見えます。
此処までの検証で分かることは、サインが出る反応は早い順に「RSI」→「ASI」→「ローソク足」の順になります。
RSIの早すぎるサインでは、ダマシに合う確率も高いですので、エントリーポイントはASIのサインに合わせてポジション取りを行い、利益確定のポイントはRSIの30%と70%に合わせた方が利益が伸ばせます。
ポジションを取る際は必ず損切の予約も入れて下さい。
次に、短期30分足で使う場合を見て行きます。
※30分足チャートの画像ASI-3をご覧ください
サブウインドウ中断にSI(スイングインデックス)を入れ、下段がASI(累積スイングインデックス)です。
SIは上昇時がグリーンになり下落時が赤になります。
SIは細か過ぎる振幅を繰り替えしますので、このサインでは売買が出来ませんね。
やはり、ASI(累積スイングインデックス)と組み合わせて、売買ポイントを見つける事が肝心です。
ASI①の位置で、下落トレンドのレジスタンスラインを上抜けています。
ここでロングエントリーです。
ASIの売買サインが出る3時間前にSIは最低ラインを表示していますが、ローソク足は底辺に居続けますので、やはり、①の位置でロングエントリーをするのが正解でしょう。
利益確定の位置として②は順当ですが、SI②は既に下落を表示し、上昇のサインを出しています。
やはり、SIのサイン表示は細かすぎてあてになりません。
ASI(累積スイングインデックス)に関するまとめ
今回は、「ASI(累積スイングインデックス)の見方や使い方」を解説してきました。
日足で使うには、RSIと組み合わせますと効果を発揮することが検証出来ました。
また、30分足ではSIと組み合わせて使うことが、効果的であることも分かりました。
売買の切っ掛けを求める為には、「反応の早いインジケーター」と、「やや遅いインジケーター」を組み合わせて使うことが良いです。
ローソク足に引いたラインの反応よりも早くに売買ポイントを求められます。
インジケーター全般に言えることですが、単体での利用は根拠が弱くなりますので、上手に組み合わせることで、売買のサインが強くなります。
しかし、過剰に信頼する事はお控えください。
そして、何より大事なのが、損切の予約だけは忘れずに入れましょう。
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