どうもバカポンドです。
投資家たちが利益を出したいと思う気持ちは、個人投資家も機関投資家も皆、同じです。
しかし、利益を出す、手段となりますと、話は変わってきます。
ロウソク足に拘りチャート分析に余念がない人、インジケーターを多用して売買サインを求める人、ファンダメンタルズ分析を最重要視して海外情勢から売買タイミングを求める人、全てを織り込んだ「AI」に任せて強引な取引を繰り返す、アルゴリズム取引と、多岐に分かれてFX市場でレートを動かしています。
価格が永遠に上昇を続けることは有りませんし、また、永遠に下落を続けて行くことも有りません。
・上昇を続けていた相場もソロソロ反落するだろう?
・下落を続けていた相場もソロソロ上昇をはじめるだろう?
今回、解説する「サイコロジカルライン」は、そんな相場に参加している投資家たちの心理を数値化してチャートに表示することを目的に作られました。
目次
サイコロジカルラインとは何か?
相場参加者は心理的にレートが上昇を続けると強気になり、下落が続きますと弱気になる傾向が見られます。
サイコロジカルラインの表示方法は一定期間(n日間)を設けて、上昇や下降をした日数が定めた期間の何パーセントに当たるのかを計算して出します。
それを基に、売買判断をしていきますので、相場参加者の「心理=Psychological」となります。
それをチャート上にラインで表示したものが「サイコロジカルライン」です。
サイコロジカルラインの計算式について
サイコロジカルラインの計算式は非常にシンプルで分かり易いので、覚えておいて下さい。
まず、n日期間を決めますが、例えば12日間と決めた場合に9日以上連続して価格が一方方向へ動くことは、殆ど無いという確率を前提にして成り立っています。
(計算式)
サイコロジカルライン= n日間の内に上昇した日数 ÷ n日 × 100(%)
※n日期間はパラメーターで設定します。良く使われるのは12日間が多いです。
※Psychologicalインジケーターのデフォルトは25日になっています。
この計算式からもお分かりいただけるかと思いますが、通貨の値動きは見ておりません。
要するに、パラメーターに設定した、n日期間中にロウソク足の陽線が何本現れたかでラインが出来上がります。
ロウソク足のサイズは小さくても、大きくても同じくカウントされ値動きは全く無視されています。
値幅の動きを重要視するトレーダーにとっては、大変大雑把な指標と映っています。
サイコロジカルラインのダウンロード方法について
サイコロジカルラインはMT4標準のインジケーターとしては含まれていません。
ご入用な場合は、無料で使えますので、下記URLよりダウンロードをして下さい。
http://fx-mt4ea.com/ea3/MT4-Psychological.mq4
FXでのサイコロジカルラインの設定方法について
では、設定方法について書いて行きます。
ダウンロードした「MT4-Psychological.mq4インジケーター」を、表示したいチャートにナビゲーターからドラッグアンドドロップします。
最初に設定用のウインドウが現れますので、設定を始めます。
「全般」タブでは下限設定と上限設定を決めます。
デフォルトでは何も数値が入っていませんが、買われ過ぎ、売られ過ぎのラインを見やすくするためには中間を50%になる様に、下限は「0」で、上限は「100」に設定しといた方が見やすくなります。
次に、「パラメーター」タブです。
サイコロジカルラインの設定は、始めに分析期間「n日間」を何日に設定するのか?
これは、日足チャートの場合にn日間はロウソク足を何本に決めるかと同義で、パラメーターで設定します。
ダウンロードした「MT4-Psychological.mq4インジケーター」はパラメーターに25日間がデフォルトで入れられています。
しかし、一般的には12日間の設定が使われますので、此処では「12」に変更しましょう。
「色の設定」タブでは任意の見やすいカラーを設定してください。
「レベル表示」タブでは「25%」「50%」「75%」に目安のラインが入ると判断がし易くなります。
FXでのサイコロジカルラインの使い方や見方を解説!
計算式から判断しても短い足での使い方は不向きです。
やはり、日足などのやや長い目線で使った方が効果的であり、判断材料にも出来ます。
では、サイコロジカルラインの見方を説明いたします。
まず、簡単にロジックを書いておきます。
「25%」ラインを下回ってきたら→売られ過ぎ
「50%」ラインの位置→中立と見ます
「75%」ラインを超えてきたら→買われ過ぎ
この様に判断をする根拠を書きます。
前項でパラメーターを期間12日に設定しましたが、9日間、陽線が出て上昇し、3日間、陰線が出た場合サイコロジカルラインは75%の位置に居ます。
逆に、9日間、陰線がでて下落、3日間、陽線が出た場合は25%位置にサイコロジカルラインは居る事になります。
もともと、相場参加者の心理をグラフ化し、作られたものですから、9日間の勝が有り、3日間の負けが発生したなどと表現します。
勝負事は古来、9回以上同じ目が出る事は稀で、基本その後に反対の目が出ると言われています。
それが根拠ではやや弱いですが、9日間の勝が続いた75%ラインを超えたから、反落するだろうとなります。
要するに、逆張りの指標ですね。
そして、9日間の負けが続いた25%ラインを下回ったから、反転して上昇をするだろうとなります。
50%ライン位置は中立ですので様子見です。
では、実際にチャート上で使って、検証をしていきます。
※サイコロジカルライン画像1をご覧ください。
まずは、ショートポジションのエントリー位置のみを見て行きます。
黄色の①で、サイコロジカルラインが75%をこえてきました。
頂点を過ぎて75%ラインまで戻った位置でショートエントリーをします。
利益確定の位置は、サイコロジカルラインが25%に届く位置ですが、50%ラインを過ぎて下落が止まり上昇をして来たら50%ライン位置で決済です。
損切は直近最高値に置きましょう。
続いて、黄色の②も同じように一度、75%ラインを過ぎて戻りを待ってから、ショートポジションを持ちましょう。
利益確定の決済は25%ラインの到達ですが前回同様に50%ライン位置も意識に入れて決済の準備をしましょう。
損切ポイントは、直近の最高値(頂点)に置きます。
次の黄色③は、75%ラインでサイコロジカルラインは下落を始めています。
しかし、ロウソク足は更に上昇を続けていますので、頂点を迎え下落が始まりましたらショートエントリーします。
利確と損切は①②と同様の手順で行います。
そして、問題の黄色④です。
これは、サイコロジカルラインが値幅を見ないという欠点の表れです。
いわゆる「ダマシ」の典型的なパターンです。
黄色㈬でサイコロジカルラインは75%ラインに到達し、翌日こそは陰線が出て前日終り値を数pips下周りました。
その為、サイコロジカルラインも1日分の下げを示しています。
そして、4日陽線が続きサイコロジカルラインは又、75%ラインに届いています。
次の日から、3日間陰線が現れ下落をしました。
しかし、前回サイコロジカルラインが75%超えた位置で、ショートポジションを所持した場合のポジション位置よりも高値で終わり、残念ながら、所持したショートポジションの利確は出来ません。
若干の損切になりますが、この後の流れを見ると此処で損切をしないと今後、大きな損失になります。
次の日は大きな陽線と小さな陽線へと繋がり、3日の小さな陰線が出ます。
そして、3日続いた小さな陰線は大きな陽線1日で超えられてしまっております。
此処で、サイコロジカルラインは50%ラインに届きますが、前回の高値と安値を切り上げ、ダウ理論のセオリー通りに、チャートは上昇を続けています。
その後、また、小さい陰線が2日出て、サイコロジカルラインは25%ライン側まで来ます。
次の日の大陽線でレートは倍戻しをしていますが、サイコロジカルラインは1日分の陽線という事で、僅かな上昇を表示しているのみです。
サイコロジカルラインは計算式に則り表示して小さな陰線3日分でラインを大きく下げ、1日の大陽線で小さく上げる、まさに値幅を無視した計算式の通りですね。
でも、此れでは使えるインジケーターとは言えません。
次は、ロングポジションを持つ場合の逆張り手法で使えるのかを見て行きます。
水色⑤でサイコロジカルラインは25%ライン位置に到達します此処で、ロングエントリーとなります。
2日間大きな足の長い陽線がでますがサイコロジカルライン自体は僅かな上昇しかしていません。
此処で決済を致しますと150pips程度は取れますが、サイコロジカルラインは50%ラインにはまだ遥かに遠い位置です。
決まり通りに行きますと決済しない事になり、3日間の大陰線で大きく下落し、サイコロジカルラインは再度25%ラインに到達します。
水色⑥此処でナンピンして、再度ポジションを増やす事になります。
幸いなことに、此処からはサイコロジカルラインが75%ラインの到達まで障害は見当たらず、無事に利確できます。
700pips程度の利益が取れました。
水色⑦でサイコロジカルラインが、25%ラインに到達しロングエントリーします。
翌日陽線がでて多少上昇しますが翌日陰線が出て同じ値幅で下落をし、再度25%ラインに到達します。
此処で、前回同様にナンピンしてロングポジションを増やします。
その後は、障害は特に無くサイコロジカルラインは、75%ラインに到達し利確を致します。
450pips程度の利益を獲得できました。
水色⑧陰線でサイコロジカルラインは、25%ラインに到達します。
そして、翌日は陽線が出てサイコロジカルラインは少々上向きました。
その後2日陰線が出てサイコロジカルラインは、また、25%ラインに到達し、ロングポジションのナンピンになります。
軽いダマシに合ってしまった事になります。
次は、黄色④位置のサイコロジカルラインが75%まで上昇し決済をする事になります。
400pipsの獲得になります。
チャート・リーディングで順繰りに見て頂きますと、割と大きく利益を取れますが、ダマシにも会い易いインジケーターと言えると思います。
それは、値幅を考慮に入れない事が大きな原因です。
そこで、売られ過ぎ・買われ過ぎのインジケーターとして多くの人に利用されている「RSI」を追加します。
RSIはサイコロジカルラインに、値幅をプラスしたインジケーターと言っても良いと思います。
そして、トレンド系インジケーターの代表である移動平均線(EMA)も5日線・12日線・20日線を足して参考にしてみました。
※サイコロジカルライン画像2をご覧ください。
前回ダマシに合う、黄色④の位置を見てみましょう。
移動平均線、5日線・12日線・20日線どれもただ上昇を表しているのみで下げる気配は皆無です。
その後、数回5日線が12日線に接近はしますが、クロスは出来ていません。
そして、12日線はその日も20日線に接近する様子は見えません。
更に、RSIを見ますと、黄色㈬の位置ではRSIも75%に到達していますが、その後のラインはサイコロジカルラインに比べて下降は見られず、ほぼ75%の位置に張り付いた状態です。
そして、ダイバージェンスが発生しています。
サイコロジカルラインに関するまとめ
サイコロジカルラインは計算式の所でも書きましたが、レート変動を考慮に入れていません。
それでは、チャート分析ツールとしては余りにアバウトすぎます。
サイコロジカルラインが75%位置に来たから「売ろう」、25%位置に来たから「買おう」と安易なポジション取りは大変危険です。
売買判断のヒントと捉える為には、他の値動きも加味しているインジケーターのRSIやトレンド系インジケーターの移動平均線なども材料として合わせて使う必要があります。
サイコロジカルラインを手法としてトレードの材料に使われる場合は、損切設定は忘れずにしましょう。
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