どうもバカポンドです。
皆さん、「ウィリアムズ%R」って聞いたことありますか?
インジケーターを使い始めの頃は、「RSI」や「ストキャスティクス」などがよく初心者向けの解説に使われます。
出てくる計算式に関しても、他の指標と比べるとそう複雑ではないので、わかりやすいということも人気の一つでしょう。
それでいて実用性もなかなかあるので、プロの中でも基本的なインジケーターしか使っていないという方もいますね。
今回紹介する「ウィリアムズ%R」というのは、FXの勉強を始めたばかりの方にとっては、馴染みの薄い指標かもしれません。
しかし、実は「RSI」や「ストキャスティクス」と似たようなインジケーターであることは知っていましたか?
計算式もよく似ていて、他の2つよりも反応が先行して出ることが多いので、使い分けることができれば、相場を読む強力な武器になるでしょう。
今回は、そんな「RSI」や「ストキャスティクス」の親戚といっても過言ではない「ウィリアムズ%R」について解説していきます。
目次
ウィリアムズ%Rとはどんなインジケーター?
ウィリアムズ%Rは、名前にもある通り、ラリー・ウィリアムズ氏が考案したテクニカル指標です。
彼はアメリカで有名な投資家の一人で、1987年のロビンスカップというトレードコンテストで1万ドル(約100万円)を約111倍に増やしたという驚異的な記録を残しています。
未だ彼の記録を抜く者はおらず、投資家としての手腕もうかがえますね。
そんな彼の考案した「ウィリアムズ%R」は、ストキャスティクスととても良く似ています。
ストキャスティクスとは、「ある一定の範囲の高値と安値の中で、現在の価格が下から何パーセントのところにあるか?」というものでした。
「下から」ということは、「安値から何パーセント上にあるの?」ということを教えてくれるわけです。
一方、「ウィリアムズ%R」についても、ある一定の高値と安値の間で分析するところまでは同じです。
どこに違いがあるのか?というと、価格の見方です。
一定の範囲内においても、「価格を何と比較するか?」によって、また違った見方ができると思いませんか?
ウィリアムズ%Rで比較するのは、直近価格の終値ということを憶えておいてください。
「その終値が、高安値からどの位置にあるのか?」ということが、ウィリアムズ%Rの示す意味になります。
ウィリアムズ%Rの計算式について
では、実際に計算式を用いて、具体的な例について見ていきましょう。
「ウィリアムズ%R」の計算式は、以下のようになっています。
いかがでしょう。
「計算が苦手でこんな式見せられても分からない!」という方でも大丈夫です。
きちんと文章で正しい意味と使い方を説明しますので、ご安心ください。
ここではまず、簡単に計算式の意味を説明します。
このことを頭に入れたうえで使い方を知れば、より柔軟な見方ができるようになるでしょう。
ストキャスティクスの計算式を覚えている方はあまりいないかもしれませんが、実は分母がストキャスティクス(以下ストキャス)と全く同じなんですよね!
ということは、ウィリアムズ%Rは基準となる値が同じと言うことですから、ストキャスのように「相場の過熱感を示すオシレーター系指標である」ということがわかっていただけるのではないでしょうか。
違いは分子、つまり比較するものが変わってきます。
ストキャスティクスは、直近の終値から過去n日間の最安値の差から、現在価格が下から何パーセントあるかを示しています。
したがって、0~100%を間を推移するのが普通です。
それに比べ、ウィリアムズ%Rは高値が0%、安値が‐100%として表されます。
計算式を考えると、理由がわかりますね。
0%になるのは分子が0となるとき、つまり「高値=終値」となるときです。
これが意味するのは、現在価格の終値が最も高いところにあるということですから、上昇トレンド中にあると解釈できます。
逆に‐100%となるのは、分母と分子が一致する時、つまり終値が「高値=安値」となるときです。
現在の終値がそのまま安値となっているのですから、下降中にあると解釈できるのです。
ウィリアムズ%Rの期間の設定について
以上のことから、「ウィリアムズ%R」は、「現在価格の値動きがどの位置にあるのか?」と言うことを正確に教えてくれます。
期間設定はデフォルトでは14期間であることが多いですが、「どの範囲の値動きを知りたいか?」によって変えても構いません。
ただですね、個人的なことをお話すると、14期間では反応が良すぎるため、小さな波も捕えてしまいます。
上位の時間足では問題ないかもしれませんが、実際にトレードポイントを見極めるのに15分足以下の時間足でエントリーする場合は注意が必要です。
エントリーサインが間違いではないにしろ、スプレッド負け(スプレッド分の利益を出す前に相場が反転してしまうこと)してしまったり、細かな波の動きに翻弄されて、いつエントリーしたら良いかわからないことが多いです。
ノースプレッド口座などスプレッドが狭い業者や口座を使っている場合は、秒スキャ用として活用できるかもしれませんが、普通口座の場合はオススメしません。
もしも、
・デイトレードで下位足エントリーしたい
・普通口座でスキャルピングをしたい
という方は、もう少し広めの期間設定をすると良いかと思います。
ボリンジャーバンドや一目均衡表などと併用するならば、「20」や「26」を期間として調整しても良いですね。
基本的にはそのまま使用してみて、あとは相場に合わせて使い分けるという方法が良いでしょう。
FXでのウィリアムズ%Rの使い方を解説!
「ウィリアムズ%R」は、平滑化されたストキャスティクスと比べると、動きに敏感であり、いち早く反転のシグナルを察知します。
反転の直前にサインを出してくれるので、使いこなせれば大きな武器になります。
その分、一つ一つの動きが大きいのが特徴で、特にダマシには注意しなければなりません。
実際に、同じ期間のストキャスと比べてみるとわかりますが、より多くの売買サインを出しています。
とはいえ、動きはストキャスティクスとほとんど同じのため、使い方としてはストキャスと同じように考えて構いません。
そのため、注意する点もストキャスティクスと同じですね。
「ストキャスティクス」も「ウィリアムズ%R」も高値・安値を更新し続ける場合、値がトップゾーン、ボトムゾーンに張り付いたまま推移することがあります。
これを「ガーベージトップ」、「ガーベージボトム」と言ったりしますが、トレンドが発生しているときはよくある逆張り手法は通用しなくなります。
相場の過熱感を表すオシレーター系指標の使い方としてよく説明されるのに、「上限から20%の範囲内に入ったら買われすぎだから売り、下限から20%の範囲は売られすぎだから買い」というものがあります。
しかし、先ほど説明したような計算式の意味合いを考えてみると、上記のような説明は、初心者には誤解を与えてしまうものです。
実際には「トップゾーン(上限から20%)」や「ボトムゾーン(下限から20%)」に入るということは、「トレンドが発生してますよ」ということを教えてくれるものなのです。
そのため、「トップゾーン」、「ボトムゾーン」を推移している間は、トレンドの継続を意味します。
このエリア内を推移しているということは、現在の価格が常に更新されて高くなっているので、反射的に買いや売りをいれるというのは得策ではありません。
もし、新規のエントリーを試す場合は、このようなゾーンに入ってからの抜けが良いでしょう。
ゾーン抜けは、トレンドの終わりを示唆するシグナルですので、一応の根拠にはなります。
ただですね、「その後、素直に反転するか?」、「レンジに移行するか?」まではわかりません。
抜けたとしても、すぐ戻ってくるダマシもありえますので、このシグナルだけでエントリーするのはあまりオススメしません。
エントリー根拠として「トレンド系指標」や、「MACD」などと合わせて活用し、俯瞰的な判断が必要でしょう。
また、このような買われすぎ・売られすぎを教えてくれるオシレーター系指標が真価を発揮するのは、レンジ相場ということを憶えておいてください。
ある程度のボラティリティのあるレンジ相場では、ダマシが少なく機能します。
一般的には、画像の赤丸のようなトップゾーン(-20%)、ボトムゾーン(-80%)を抜けたところをエントリーポイントとして利用されます。
製作者のラリー・ウィリアムズが推奨する手法に「0%、-100%に到達した後、5期間(ローソク足5本)待って、反転を確認してからエントリーする」というものもありますね。
1つ、「ウィリアムズ%R」と「ストキャスティクス」の違う点を挙げるとするのであれば、その反応の良さから、「一端のゾーン抜けから、また戻ることが多い」ということに注意しなければなりません。
実際には抜けてすぐエントリーするというよりも、しっかりとローソク足の値動きを確認するということが非常に大切です。
「ダウ理論」や「グランビルの法則」、「トレンド系のインジケーター」を組み合わせることで、より確実性の高いトレードができるでしょう。
「ウィリアムズ%R」は、同じビル・ウィリアムズ系のインジケーターと相性が良いため、「アリゲーター」や「フラクタル」、「オーサムオシレーター」などと一緒に使うと、より効果を発揮します。
「ストキャスティクス」と似ていることから、相性の良いトレンド系の指標である「ボリンジャーバンド」との組み合わせも良いかもしれませんね。
ウィリアムズ%Rインジケーターに関するまとめ
いかがでしたでしょうか。
「ウィリアムズ%R」は、細かい値動きを表示してくれる分、ダマシや上位足の動向の判断など、大局的な見方が必要なインジケーターです。
見方や使い方は、RSIやストキャスティクスと似ていますが、相場観をある程度読むことができる中級者以上のインジケーターと言えそうですね。
「ウィリアムズ%R」のような指標は、ボラティリティの高い通貨ペアで有利に働くことが多いため、ポン円やポンドルなどの値動きの激しいペアによく使われます。
これらの通貨ペアは、少し間違えると「ストップロス」に会ったりするため、殺人通貨と呼ばれることで有名です。
ハイリスクでもありますが、その分リターンも大きいため、うまく波を乗りこなすことができれば、大きな利益を手にすることができます。
もし興味を持たれた方がいれば、ボラティリティの高い通貨ペアなどを選んで、「ウィリアムズ%R」の使い勝手を試してみましょう。
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