今回はFXにおける聖杯EAは存在するのか解説をします。
ネット上では
「勝率100%!」
「10万円が1億に!」
「月利150%!」
などの文言でEAが紹介されていますが、そんな聖杯のようなEAは本当に存在するのでしょうか?
僕はこれまで100種類近くのEAの運用経験がありますが、過去にはEA販売者の甘い言葉に騙されて資産を大きく溶かした経験もあります。
しかし、今ではいいEAと悪いEAの見分けがつくようになり、EAの運用で毎月安定した利益を出し続けています。
そんな僕がEAの伝説ともいえる聖杯について解説しましたので、EAの運用で稼ぎたいと思っている方は最後までご覧ください
こんな方におすすめ
- FXの聖杯について知りたい
- 勝てるEAの存在について知りたい
- FXで勝ちたい
目次
FXにおいての聖杯とは
FXにおいての聖杯とは、放置してもどんどん資産が増える夢のような自動売買EAや手法を指します。
例えば、
- 勝率100%
- 資産が10万円→1億円
- 月利150%かつ月単位のマイナスなし
がいわゆる聖杯と呼ばれます。
自動売買であれば、誰が動かしても勝ち続ける勝率100%のシステム。
「導入するだけで資産が増え続ける」という夢のようなシステムで、負けることなく資産を増やし続けられます。
朝起きて自分の口座をチェックすると残高が増えているのが当たり前、不労収入です。
そんな夢のような自動売買は存在するのでしょうか?解説していきます。
聖杯は実現可能なのか
結論をいえば、聖杯は現状存在しません。
なぜなら、
相場は生き物のように変化するので、過去の相場を元にしても未来の相場を100%予言することは不可能なため
相場は生き物のように変化するため、どんなに優秀なシステムだったとしても予想外の相場変化の影響で大きな損失を生んでしまうことがあります。
例えば、発表された経済指標の結果が本来は通貨の価値が上昇する内容であるはずなのに、なぜか通貨の価値が下がってしまう時があります。
また、2015年のスイスフランの対ユーロ上限撤廃によるフランショックなどによって、予想外の相場の混乱をきたすこともあります。
このような経済状況の突発的な変化に確実に対応し、勝率100%を維持し続けるのはどんなに優秀なシステムでもプロトレーダーでも不可能です。
確かに過去の相場は、未来の相場の指標になります。
しかしある程度の目安になるだけで、過去の相場をいくら参考にしても100%未来の値動きを的中させることは不可能です。
例えば、2020年のコロナショックでは非常に大きな値動きがあり、2008年リーマンショックを乗り切った自動売買システムさえも大きな損失を出してしまった事例があります。
今後リーマンショック以上の値動きは起こらないだろうと思い、最適化されたシステムがコロナショックでバタバタと損切していきました。
このように、過去の相場とは合わない状況になることも相場の世界では往々にして存在するのです。
そのため聖杯は存在しませんし、今ものすごく調子がいいシステムがあるからと言って、そのシステムが今後一生稼ぎ続けられる保証はどこにもありません。
しかしEAの正しい選び方や運用方法を知っていれば、100%の勝利はできないものの、負けるリスクを減らして聖杯に近づけることは可能です。
EAで勝てない理由3選
聖杯EAの条件は「負けることなく、資産が増え続けること」
EAで負けてしまう理由を知り、損失を避けることができれば聖杯のような勝ち方が可能です。
そこでEAで勝てない理由を3点解説します。
- 間違ったロットコントロールをしているから
- 成績を偽ったそもそも勝てないEAだったから
- 相場が変わってEAのロジックが通用しなくなったから
間違ったロットコントロールをしているから
EAの運用で間違ったロットコントロールをしてしまうと、どんなに聖杯と呼ばれるEAであっても資金を溶かしてしまいます。
間違ったロットコントロールとは、取引ロットをこまめに変えてバラバラのロットで取引してしまうことです。
例えば、
- 最近EAの調子が良い!→利益を多く出そうとロットを上げる
- 最近EAの調子が悪い!→損失を減らすためにロットを下げる
などといった行動が挙げられます。
このような間違ったロットコントロールをしてしまうと、ロットを上げた直後に大きな損失が生じてしまったり、ロットを下げた直後に利益が得られるチャンスがやってきて利益を逃してしまったりといった現象が起こりがちです。
ロットの操作を安易にしてしまうと、利益が少なくなったり、大きく損失が出るリスクが高まります。
そのためロットコントロールに走らず、一定のロットまたは決めたルールに沿ったロットで運用するようにしましょう。
成績を偽ったそもそも勝てないEAだったから
成績を偽った勝てないEAを運用してしまい負けてしまうパターンもよくあります。
利用者を増やしたいと思っている悪質なEA製作者は、成績をよく見せようとあらゆる手を使います。
例えば、
- 調子が良いタイミングのグラフだけを公開している
- 月利100%などの驚異的なリターンを謳っていたり
- 公開しているシステムと、配布しているシステムの中身が違う
などといったケースも少なくありません。
このような悪質なEAを使ってしまうと、いくらトレードしてもなかなか勝てず、大きな損切にあってしまいます。
紹介ページのグラフや成績を安易に信じずに、長期間の実績があって利用者の多い安全なシステムを運用するのがおすすめです。
相場が変わってEAのロジックが通用しなくなったから
相場は生き物のように変化するため、未来の相場は誰にもわかりません。
昨日まで最強だったロジックが、今日から全く役に立たなくなることもよくあります。
この理由は相場の流れが大きく変わった影響で、現在のロジックでは利益が出せなくなったことが理由です。
そのため「これまで勝ち続けてEAだから大丈夫だろう」などといった思い込みは捨てて、成績が優れないEAは停止することをおすすめします。
聖杯に近づけるEAの運用方法
EAで失敗する事例を紹介したところで、聖杯に近づけるためのEAの運用方法を紹介します。
次のような3つの方針でEAを選択、運用することで聖杯に近づけることが可能です。
- 危険な相場ではEAを稼働させない
- 複数のEAを使用する
- 1つのEAに固執しない
危険な相場ではEAを稼働させない
EAは、過去相場と同じような値動きをしている時に利益を生み出してくれます。
しかし、一度相場と嚙み合わなくなったり、有事による想定外の値動きがあると、大きな損失を生み出してしまうことがあります。
「どうやって利益を出すか?」よりも「どうやって損失を最小に抑えるか?」がEAを運用する上で重要なポイントです。
大きな値動きにより、損失が特に出やすいとされているのが、毎月第1金曜日の日本時間 21:30(冬時間は日本時間 22:30)に発表される米国雇用統計です。
雇用統計発表では、平均時給や、非農業部門の雇用者数、そして失業率などアメリカ経済と直結するような数値が次々と公表されます。
統計の発表前は緩やかな動きをする相場が、発表直後にジェットコースターのように乱高下するのが特徴です。
このようなタイミングでEAをそのまま放置していると、大きく利確できる可能性がある反面、値動きに耐えられずに予想外の損失を出してしまうことや、ロスカットを引き起こしてしまうことも少なくありません。
雇用統計などの重要経済指標の値動きは、日本円米ドルに限らず全ての通貨ペアで影響を与えてしまいますので、ドルストレートやクロス円以外の通貨ペアで運用する時も注意が必要です。
事前に発表時間が分かっている場合は、FX会社の公表している重要人物の発言スケジュールや指標指標のスケジュールを把握しておくことが重要です。
リスクを最小限にしたければ経済指標の1時間前からEAを停止し、指標発表後はボラティリティが落ち着いてから再開するようにしましょう。
複数のEAを使用する
安定した利益を狙う場合、複数のEAを同時に稼働させることも有効です。
EAを複数の通貨ペアにセットをしたり、同一の通貨ペアで異なったEAを動かしたりすることでリスクの分散ができます。
例えば、3つのEAを同時に運用すれば、1つのEAが1万円の損失を出したとしても、残り2つが1万円ずつ利益が出れば、結果的にはプラス1万円になります。
上のグラフのように右肩上がりの成績のEAでも得意な相場や苦手な相場があり、時にはマイナスになることもあるため、複数のEAを使い運用することが安定した利益が出ておすすめです。
1つのEAに固執しない
昨日までは順調に利益が出ていたEAが、今日から急に通用しなくなるタイミングがあります。
これまで利益が出続けていたEAでも、相場と合わなくなってしまい時代遅れになってしまうパターンもよくあります。
直近の利益率が落ちてきた場合や、以前と比べて損切が多くなったなどの現象があれば、固執せずにシステムの入れ替えをしましょう。
常に新しいEAのアンテナを張っておき、利益が出ないEAは利益が出ているEAに入れ替えることをおすすめします。
聖杯EAのまとめ
現状、勝率100%の聖杯EAは存在しません。
しかし、正しいロットコントロールで長期間右肩上がりのEAを分散投資すれば、聖杯に近いくらい安定した利益を出し続けることが可能です。
まずは聖杯は存在しないということを理解し、
「月利100%」「今日は+120万円!」「10万が1年で1億に!」
などといったEA販売者の謳い文句に騙されることなく、あなた自身が勝てるEAを見分けられるようになり、正しい運用方法を学び続けることが大切です。
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