FXは為替差益とは別に、スワップポイントで利益を出すことができます。
このスワップポイントはどの通貨ペアにも存在しますが、通貨ペアによってもらえる差があるため注意が必要です。
FXでトレードをするのであれば、為替差益を狙いながら同時にスワップポイントでも利益を得たいと考えるのが普通ですが、なかなかうまくいかないという人もいるでしょう。
そこで今回は、スワップポイントを効率よく受け取る方法や、おすすめの追加ペアなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読めば、損することなくスワップポイントを受け取れるようになるはずです。
目次
スワップポイントとは?
スワップポイントとは、各国の政策金利の差で得ることができるもの。
例えば、日本の場合は2019年時点で政策金利が−0.10%となっています。
しかし、トルコの場合は16.50%で、日本とトルコでは通貨間に16.60%もの差があることがわかりますね。
このように通貨ペア同士に金利差が発生すると、FX業者からスワップポイントを支払われるのです。
プラスとマイナスが存在する
FXでは通貨ペアごとにBid(売り)とAsk(買い)を選択することができ、スワップポイントは、通貨ペアを売るか買うかによってプラスとマイナスが決まります。
プラスかマイナスかを判断する方法はとても簡単で、通貨ペアの金利の低い方を買うとマイナス、高い方を買えばプラスになります。
言葉だけでは難しいので、実際にペアを例に見ていきましょう。
日本人が最も取引をしている通貨であるドル円の場合は、2019年の時点でドルの方が金利が高いため、ドル円Ask(買い)であればスワップポイントはプラスになります。
逆に、ドル円Bid(売り)の注文を入れると、スワップポイントはマイナスになるため、毎日その分のお金が口座から引かれます。
また、ユーロドルの場合は、ユーロの方がドルよりも金利が高いので、ユーロドルAsk(買い)の場合はスワップポイントはマイナス、Bid(売り)の場合はプラスとなります。
考え方としては非常にシンプルですが、
正直言って政策金利がどちらが高いかわからない
政策金利の数値まで把握していない
という人が大半です。
そのため、FX業者にはスワップポイントの表やカレンダーというのが必ず掲載されているため、それを見ればわざわざ自分で計算することもなく、一瞬で把握すことができます。
土日祝はスワップポイントが入らない
スワップポイントは平日であれば毎日寄与されるが、土日祝はもらうことができません。
しかし、その日に受け取れないだけであって、他の日にまとめてもらうことができます。
一般的には、土日のスワップポイントは水曜日の判定日に寄与されます。
水曜日の判定日の時間帯は、アメリカ市場が閉まる時間帯前後なので、厳密には木曜日の午前6時から7時です。
受け取れる時間というのはFX業者によって変わってくるため、スワップポイント狙いのトレーダーはあらかじめ確認しておくと良いです。
スワップポイントのメリットとデメリット
スワップポイントを利用したトレードにはメリットもありますが、当然デメリットも存在します。
そのため、スワップポイントを狙いたい人は、この両者をしっかりと頭に入れておいてください。
メリット1:高金利通貨によるハイリターンが可能
スワップポイントは通貨ペアによって変わり、中にはハイリターンが可能な通貨ペアも存在しています。
例えば、先ほどもトルコを例に挙げましたが、トルコリラは政策金利が16%以上という高金利通貨なので、当然対円とのスワップポイントは大きくなります。
そのため、1万通貨あたり80(円/日)という高いスワップポイントを受け取れる業者もあります。
ちなみに、1トルコリラが19円と仮定すると、1万通貨投資するための最低資金は7,600円です。
そして、1ヶ月でもらえるトルコリラのスワップポイントは、80円×30日で2,400円となるので何もしなくても1ヶ月後には資産が130%の10,000円になります。
もちろん、買う通貨量を10万通貨など増やせば、1ヶ月あたり24,000円と比例して増えていきます。
この増加率は非常に魅力的なので、FXをする際には高金利通貨の投資も頭に入れておくと良いでしょう。
メリット2:365日もらうことができる
スワップポイントは、土日や祝日などに関係なく毎日受け取ることができます。
そのため、世界的に相場が閉まるクリスマス時期や年末年始なども無関係です。
つまり、スワップポイントは、銀行でもらえる金利と同じと考えてもらって良いですね。
メリット3:証拠金維持率の底上げができる
スワップポイントは毎日もらえて、口座に反映され証拠金が徐々に増えていきます。
そのため、証拠金維持率の底上げができます。
証拠金維持率が徐々に上がっていけば、気持ちの余裕ができさらに有意義なトレードができるようになるし、場合によってはナンピンや新規注文なども可能になります。
デメリット1:政策金利の変動
スワップポイントというのは、通貨ペア同士の政策金利の差であると説明しましたが、そのため政策金利が変わればスワップポイントも変わってきます。
例えば、トルコが今後政策金利を16.50%から10.00%に引き下げたとしましょう。
そうなると、トルコリラ円Ask(買い)で今までもらえてたスワップポイントが変化して、毎日受け取れる量が減ってしまうのです。
この場合はまだスワップポイントがプラスなので良いですが、仮にトルコの政策金利が−1.00%になったとしましょう。
そうすると、現在の日本の金利政策よりも低くなってしまうので、スワップポイントはマイナスになってしまうのです。
つまり、スワップポイントは一定期間で変化する可能性があるため、ある程度定期的に政策金利を確認しなければなりません。
スワップポイントを利用した取引が向いている人とは?
スワップポイントは非常にありがたいですが、トレードスタイルによって向いている人と向いていない人がいます。
スキャルピングやデイトレードなど、比較的短期間で注文と決済を行う人には向いていません。
スワップポイントは、スイングトレードと呼ばれる長期的なトレードをする人がおすすめです。
では、スイングトレードをするにあたっての最低条件を説明するので、この条件に当てはまりそうな人は、スワップポイントを狙いながらトレードすると良いでしょう。
しかし、長期的なスイングトレードをするためには、長期間高い証拠金維持率を保てたり、ある程度の含み損に耐れる潤沢な資金の確保などが必要になります。
そのため、少額投資を目的としている人には、あまり有効とは言えません。
スワップポイントを利用したトレードを行う場合の注意点
スワップポイントを狙った取引をする際にはいくつかの注意点があります。
これを把握しておかないと、効率よく資産を増やすことができないので注意しましょう。
為替差損でトータルがマイナスになる可能性
いくらスワップポイントを受け取れたとしても、為替差損のリスクもあります。
為替差損とは、トレードで被った損失のことで注文を入れた方向と逆にチャートが動いてしまった時に発生します。
為替は常に高金利の方ばかりにチャートが動くとは限らず、当然逆行する場合もあります。
例えば、スワップポイントで3,000円増やしたとしても、為替差損が4,000円だとトータルで1,000円の損になっているので意味がないということ。
毎日もらえるスワップポイントよりも為替差損が徐々に大きくなっていくと、ロスカットにつながってくるので注意が必要ですね。
為替差損のリスクへの具体的な対策は、長期的に為替差損が出そうな通貨ペアは避けるということ。
金利政策を下げそうな通貨や、情勢が不安定な国は長期的に通貨価値が下がっていく可能性があります。
具体的な例でいうと、オーストラリアドル円はスワップポイントを狙える通貨ペアでありますが、今後オーストラリアはさらなる利下げを検討していて、2019年10月現在でも徐々に豪ドル円のチャートは下降してきています。
この場合は、豪ドル円Askの注文を入れてスワップポイントを狙いにいっても、長期的には為替差損の方が大きくなるということです。
長期トレードには暴落リスクがつきもの
スワップポイントを狙う場合、長期間ポジションを保有することになります。
長期間保有するということは、年に数回起こる大きな通貨価値の変動に巻き込まれるリスクがあるため注意が必要です。
もちろん、利益が出る方向への大きな変動であれば良いですが、損失を被る場合も少なくありません。
特に近年では何かあると、安全資産である円を買うという傾向が強く、対円の通貨ペアでは軒並み損失を被ることが多いです。
例えば、以前中国の景気が悪くなった時には、信じられないスピードで円高が進み、これによって多くの損失を被った人もいます。
また、年末年始などの薄商い(市場の参加人数が少ない)場合には、通貨価値が大きく変動することがあります。
2019年1月には、フラッシュクラッシュという通貨の大変動が起き、一瞬で数円単位の価格変動が起きた事件がありました。
スワップポイントを狙った人には、1回のトレードで多くの通貨を買う人が多く、この事件で強制ロスカットされた人もいるようです。
このように、大きな通貨変動リスクに会う確率が会うため、被害を最小限に抑える対策が必要です。
具体的な対策としては、大きな変動が起きても良いように証拠金維持率を高めておくことです。
一般的には500%〜1,000%程度で十分とされていますが、フラッシュクラッシュのような凄まじい変動も稀にあるため、もう少し余裕を持っておいても良いでしょう。
また、薄商いになる時期には、一旦ポジションを決済してしまうというのも手です。
正月などのスワップポイントは、その前の週に全て支払われてしまうことが多いので、そのスワップポイントをもらって手仕舞いしてしまうと良いでしょう。
そして、市場の人数が増えて相場が安定してきたら、またポジションを持てば良いです。
これにより数日間のスワップポイントがもらえないかもしれないですが、大きな変動に巻き込まれて損失を被るよりはましですね。
まとめ
スワップポイントは非常に魅力的ではありますが、スワップポイントだけで稼ごうと思った場合、潤沢な資金が必要になるため全ての人に有効な手段とは言えません。
もちろん、少ない利益でもコツコツと増やせれば大丈夫という人であれば、少額投資の人も活用してみると良いでしょう。
また、スワップポイントで投資を考えている場合は、メリットだけでなく、記事で紹介したデメリットや注意点なども考慮しておくことをおすすめします。
コメントを残す