アメリカは近年、ダウ平均株価が最高値を更新するなど、非常に強い経済状態でありました。
そのため、アメリカは度重なる利上げをしてきましたが、2019年になってからは利下げに舵をとっています。
アメリカの政策金利というのは、もちろん為替相場にも大きな影響を与え、このことを考慮しながらFXをしなければいけません。
今後数年間、アメリカは利下げを行なっていく可能性がありますが、為替にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
今回は、利下げが及ぼす影響や効率の良い投資方法などを徹底解説していくので、今後の取引の参考にしてほしいです。
目次
なぜアメリカは利下げに踏み切ったのか?
近年アメリカはものすごいペースで利上げをしていて、最大2.50%まで政策金利を上昇させました。
しかし、アメリカ大統領のトランプ大統領は利上げを良しとは思っておらず、利下げするように圧力をかけ続けました。
そしてついに、アメリカ連邦準備理事会(FRB)は2019年7月、ついに利下げを行いました。
このように、アメリカが利下げに踏み切った理由は、
- 「トランプ大統領の圧力」
- 「景気後退気味」
によるものが大きく、今後もしばらく利下げの流れが続きそうです。
利下げをしてアメリカに影響はあった?
利下げがなかなか行われず、アメリカ株式市場はネガティブでありましたが、実際に利下げが実行されるとダウ平均株価は急上昇しました。
このように、アメリカ市場は利下げをポジティブな要因と捉えていて、それによるさらに強いアメリカ経済へ発展するという期待感からダウ平均株価が上昇したと考えられます。
2019年10月に出されたアメリカの重要指標である「ISM製造業景況指数」や、「ISM非製造業景況指数」の結果が予想よりも大幅に悪かったためです。
この2つの経済指標は景気転換の先行指標とも呼ばれています。
その結果、市場はこの結果を受け、ドル売りが加速し、一気に106円台前半まで値を下げたのです。
また、2019年10月の雇用統計は、失業率の改善などでリスク回避的な動きになりましたが、非農業部門雇用者数が市場の予想を下回るなど微妙な結果でありました。
このように、経済指標を見てもアメリカの景気後退が間近に迫ってきていることがわかるので、さらなる利下げを年内にする可能性が出てきたのです。
アメリカの利下げによる為替相場への影響とは?
アメリカが利下げをしたと騒がれているが、その影響は為替相場にさまざまな影響をおよぼします。
では、どのような影響があるのかを見ていきましょう。
ドルの価値が下落する
アメリカが利下げをすると、ドルに投資をしても今まで通りの金利がもらえなくなってしまうため、投資家はドルを売り他の資産へと投資を行います。
そのため、ドルに価値は相対的に下落していき、それが為替相場にも反映されました。
例えば、ドル円の場合は、ドルの価値が落ちるので必然的に円高になっていきます。
これは、円の力が強くなったというよりも、ドルの力が弱くなったために起きた円高なため必ずしもクロス円が全て下落するとは限りません。
そのほかにも、ユーロドル・ポンドドルなど、ドルが絡む通貨でドル安の動きが見られるでしょう。
新興国や資源国通貨の価値が上昇していく
アメリカの政策金利が上がっていたころは、投資家は比較的安全資産かつ高金利のドルへ投資をしていました。
しかし、利下げが行われたり更なる利下げがされるかもしれない状況下では、今までの旨みがなくなるため投資家は他の投資先を探し始めます。
そこで目をつけるのが政策金利の高い新興国や資源国の通貨です。
つまり、トルコリラやメキシコペソなどに投資を行い、下がった金利分のカバーを行おうとします。
アメリカの利下げによるその他の影響
アメリカの利下げは為替相場にもかなりの影響がありますが、そのほかにはどのような影響があるのでしょうか?
金(AU)の価値が上昇する可能性
アメリカが利下げをするということは、アメリカの景気が後退して行くことを示しています。
そのため、世界的に不況になるのではないかと考える投資家も少なからずいて、現物資産の金にシフトするケースもあります。
金は円と同じように安全資産として認識されており、数円前までは何かネガティブな要因があるたびに金が買われていました。
現在では、安全資産は日本の円というイメージが強いですが、金の人気もいまだに高くこれから金の価値が上がっていくかもしれません。
仮想通貨の価値の上昇
日本の円や金ほどではないですが、2019年に入って再び仮想通貨の価値が上昇しています。
一説には中国人投資家が大量に投資したためとも言われていますが、アメリカドルからの資産シフトでの上昇分も含まれています。
また、7月からの2回連続での政策金利の利下げを受けて、モルガン・クリーク・デジタル創業者であるアンソニー・ポンプリアーノさんは、Twitterで「ビットコインのロケット燃料だ」などと呟いており、更なるビットコインの価値上昇の可能性も否定できませんね。
アメリカの利下げは投資チャンス!?
現在までのアメリカの景気状況を見てみると、今後も何度かの利下げが予想されます。
この利下げはFXを行なっているトレーダーにも大きなチャンスで、ぜひとも今のうちからさまざま投資をしておくと数年後には大儲けなんて状況にもなり得ます。
では、実際にどのような通貨ペアに投資したら良いのでしょうか?
新興国通貨や資源国通貨への投資
先ほども説明しましたが、アメリカの利下げは新興国通貨や資源国通貨の上昇を招きます。
そのため、以下のような通貨に着目すると良いですね。
- 南アフリカランド
- トルコリラ
- メキシコペソ
- オーストラリアドル
- ニュージーランドドル
- カナダドル
今あげた通貨は、日本のFX業者でも取り扱っているところが多く、どこの口座を持っていてもどれか1つぐらいは取引できるはずです。
できれば、スワップポイントもプラスになる、トルコリラ/ドルやオーストラリアドル/ドルなどに投資するのが望ましいでしょう。
しかし、ドルがらみの通貨を扱っているFX会社は少ないため、対円の新興国通貨や資源国通貨(例えば、トルコリラ円や南アフリカランド円など)でも可能です。
対円の通貨に投資する際の注意点は、アメリカの利下げが行われることで、景気後退の懸念が浮上する可能性もあります。
そのような場合は、安全資産の円が買われて、新興国通貨や資源国通貨よりも円の価値の方が強くなってしまうこともあるのです。
そうなると、いくら新興国通貨や資源国通貨を買っていても損失を被ってしまうため、それぞれの通貨の強さをしっかりと把握しておかなければなりません。
対ドル絡みの通貨への投資
ドル絡みの通貨といえば、真っ先に思いつくのがドル円であるが、そのほかにもさまざまな通貨があります。
- ユーロドル
- ポンドドル
- ドル/カナダドル
- ドル/スイスフラン
- オーストラリアドル/ドル
例を挙げるときりがない。
先ほど紹介した資源国通貨以外の対ドル通貨で、おすすめなのがユーロドルです。
ユーロドルは、ドルを売ってユーロを買うとマイナススワップが発生してしまいます。
これだけみると損をするように感じるかもしれないですが、対ドルでユーロは売られ過ぎていたり長期の移動平均線との乖離率も非常に大きくなっています。
そのため、アメリカの利下げはこの乖離率をうめるための好材料と考えられるため、ユーロドルAskでの長期保有も検討すると良いですね。
しかも、アメリカが金利を下げるとマイナススワップの損失も減っていくので、気にせずに投資できるようになります。
ユーロドルに投資する際の注意点は、アメリカが利下げしてドルに価値が下がるからといって、ユーロの価値が上がるとは限りません。
ユーロも景気後退懸念が心配されていたり、イギリスとのEU離脱問題などで不安定な状態です。
そのため、ドルよりもユーロの価値が低くなる可能性もあるので、注視してください。
スワップポイントを受け取りながら効率良く投資できるFX業者はここ!
新興国通貨や資源国通貨は利下げで価値が上がっていく可能性があるだけでなく、政策金利も高いため、どうせなら為替差益と同時にスワップポイントも効率よく狙いたいですよね。
しかし、スワップポイントはFX業者によって違うため、しっかりと選んでおかないと損をする可能性があるためです。
そこで、新興国通貨や資源国通貨の中でもおすすめなトルコリラとメキシコペソを取り扱っているFX業者を紹介します。
ただし、ドルトルコリラやドルメキシコペソを取り扱っているFX業者はほとんどないので、今から紹介するのは全て対円です。
トルコリラを投資する際のおすすめFX業者
トルコリラ円に投資をするなら次のFX業者を選ぶと良いです。
- インヴァスト証券
- みんなのFX
この2つのFX業者は、2019年10月現在で1万通貨あたり70円以上のスワップポイントをもらうことができます。
ほかのFX業者は平均で40〜50円程度なので、この差は非常に魅力的です。
また、これは余談だがトルコリラ円は非常にスプレッドが大きく、1銭以上値動きするのは当たり前です。
しかし、長期的に投資する際にはスプレッドはさほど影響がないので、上記2つのFX業者を選ぶと効率良く投資が可能ですよ。
メキシコペソを投資する際におすすめのFX業者
メキシコペソ円に投資をするなら次のFX業者がおすすめです。
- セントラル短資FX
- 外為どっとコム
- ヒロセ通商
この3つのFX業者は、スワップポイントが130円(10万通貨あたり)を超えています。
トルコリラほどスワップポイントを受け取ることはできないですが、メキシコペソは新興国通貨の中でも通貨の格付けが高く安全性が高いと言えるでしょう。
そのため、そこそこのスワップポイントしかないですが、安全性を重視したいという人のはおすすめです。
ただ、注意点があって、先ほどおすすめしたヒロセ通商の場合、急にスプレッドが広がることがあります。
その場合、思わぬ損失を被ってしまう可能性があるので、それが嫌な場合はヒロセ通商以外のいつから選ぶと良いですね。
まとめ
アメリカの利下げは為替相場だけでなく、さまざまなところの影響が出ます。
しかし、利下げは為替相場において大きなチャンスであって、これからの長期的なトレンドを把握するための材料にも使えます。
今後、何度かアメリカで利下げが行われてドルの価値が落ちてくる可能性があるため、これを機に記事で紹介した方法を試してみることをおすすめします。
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