「EA開発、どっちの言語から始めればいいんだろう…」
「MQL5の方が新しいから、そっちの方がいいのかな?」
FXのEA開発を始めようと思ったものの、MQL4とMQL5のどちらを選ぶべきか悩んでいませんか?
私は10年以上にわたってMQL4のプログラミングスクールを運営してきました。
その経験から言えるのは、初心者の方には間違いなくMQL4をおすすめしたいということです。
この記事では、MQL4とMQL5の違いを徹底的に比較しながら、なぜ初心者にMQL4が最適なのか、そして将来のMQL5移行までを見据えた学習方法をご紹介します。
目次
MQL4とMQL5の基本的な違い
プログラミング初心者にとって、最も重要なのは「学びやすさ」です。
ここではMQL4とMQL5の違いを、開発環境、言語仕様、できることの違いという3つの観点から見ていきましょう。
開発環境で感じる大きな違い
MetaEditor4はシンプルで直感的な操作性が特徴です。
必要な機能がコンパクトにまとまっているので、初心者でも迷わず使いこなせます。
一方のMetaEditor5は、機能は豊富ですが、画面が複雑で戸惑う方も多いです。
私のスクールでも、MetaEditor5を使い始めた生徒さんから「どこに何があるかわからない」という声をよく聞きます。
コード補完機能についても、MQL4の方がシンプルでわかりやすいです。
必要最小限の候補が表示されるので、初心者でも適切な選択ができます。
プログラミング言語としての違い
MQL4は文法がシンプルで覚えることが少ないのが特徴です。
たとえば、移動平均線を使ったEAを作る場合を比較してみましょう。
MQL4では以下のようなシンプルなコードで実装できます。
double ma = iMA(Symbol(), Period(), 20, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 0);
一方、MQL5では同じことをするのにより複雑な記述が必要です。
double ma[];
ArraySetAsSeries(ma, true);
int handle = iMA(Symbol(), Period(), 20, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE);
CopyBuffer(handle, 0, 0, 1, ma);
このように、同じ機能を実現するのにMQL5の方が複雑な手順が必要になります。
できることの違い
機能面では確かにMQL5の方が優れている部分があります。
しかし、EA開発の基本となる:
- 価格データの取得
- テクニカル指標の計算
- 注文処理
これらはMQL4でも十分にカバーできます。
むしろMQL4の方が、直感的な関数名と簡潔な記述で、やりたいことを素早く実装できます。
バックテストの精度はMQL5の方が高いと言われています。
ただし、初心者のうちは基本的なEAの作成と検証に集中すべきです。
その点、MQL4は十分な精度でバックテストができます。
初心者がMQL4を選ぶべき3つの理由
私のプログラミングスクールでは、プログラミング未経験の方が3ヶ月で自分のEAを作れるようになっています。
その秘訣は、MQL4という優れた入門言語にあります。
では具体的に、なぜMQL4が初心者に最適なのか、3つの理由を詳しく見ていきましょう。
理由1:文法がシンプルで学びやすい
「こんなに簡単にEAが作れるなんて!」
これは、私のスクールで最もよく聞く感想です。
MQL4は、プログラミング初心者でも理解しやすい文法構造を持っています。
たとえば、移動平均線でトレードするEAを作る場合。
if(ma > Close[0]) { // 移動平均線が現在価格より上なら
OrderSend(Symbol(), OP_SELL, 0.1, Bid, 3, 0, 0); // 売り注文
}
このように、日本語で説明できるロジックをそのままコードに変換できるのがMQL4の特徴です。
理由2:日本語の情報が圧倒的に多い
「エラーが出た…でもどうやって解決すればいいんだろう?」
プログラミング学習で最も困るのが、このエラー解決です。
MQL4には10年以上の実績があり、あらゆるエラーの解決方法がネット上で見つかります。
特に以下のような情報が豊富です。
- 詳しい解説記事
- 実践的なサンプルコード
- 質問できるコミュニティ
私も、分からないことがあれば検索すれば基本解決できています。
理由3:実践的なEAが作りやすい
「早く実戦で使えるEAを作りたい!」
これは多くの方が持つ願望です。
MQL4なら、シンプルな構造のまま実践的なEAを作れます。
先日、私のスクールの50代の生徒さんが、たった2ヶ月でこんなEAを完成させました。
- 移動平均線のクロスでエントリー
- 利確と損切りの設定
- 週末の決済処理
「同じような機能をMQL5で作ろうとすると、2倍以上の行数が必要になっていたでしょう」。
デバッグ(エラーチェック)も簡単です。
エラーメッセージが分かりやすく、問題箇所を特定しやすいです。
MQL4からMQL5への移行方法
将来的にMQL5も学びたいという方も多いはずです。
ここでは、MQL4で基礎を固めてからMQL5に移行する、最適な方法をご紹介します。
移行のベストタイミング
「いつMQL5を始めればいいんですか?」
これは生徒さんからよく受ける質問です。
私の経験では、以下の3つができるようになってからがベストです。
- 基本的なEAを一人で作れる
- エラーを自力で解決できる
- プログラミングの基礎概念を理解している
具体的には、MQL4で3~6ヶ月程度の学習期間を経てからがおすすめです。
具体的な移行手順
MQL4の知識は、MQL5学習の大きな味方になります。
たとえば、移動平均線を使ったEAのMQL5版を作る場合、
// MQL4の知識を活かしながら、新しい書き方を学んでいく
double ma[];
ArraySetAsSeries(ma, true);
int handle = iMA(_Symbol, PERIOD_CURRENT, 20, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE);
MQL4で培った基礎があれば、新しい書き方を理解するのも簡単です。
つまずきやすいポイントと対策
私のスクールで見てきた、よくあるつまずきポイントをご紹介します。
最も多いのが「配列の扱い方の違い」です。
MQL5では配列の向きを明示的に指定する必要があります。
でも心配いりません。
基本的な考え方はMQL4と同じなので、少しずつ慣れていけば大丈夫です。
まとめ
ここまで、MQL4とMQL5の違いについて詳しく見てきました。
初心者の方には、まずMQL4で基礎を固めることを強くおすすめします。
その理由を改めて整理すると、
- シンプルな文法で学びやすい
- 豊富な日本語情報
- 実践的なEAが作りやすい
プログラミングは、小さな成功体験の積み重ねが大切です。
MQL4なら、その成功体験を着実に重ねていけます。
そして、基礎が固まってから必要に応じてMQL5を学ぶ。
これが、最も効率的で挫折しにくい学習方法だと確信しています。
あなたもMQL4から始めて、自分だけのEAを作ってみませんか?
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